カールモール頌
1976年のとある朝、カールモールは
5番街のホテルで眼を醒ます。
熱いシャワーはきく。
夢の残りは思い出せない。
シャネルの香りの朝のメッセージが届く。
と、裸足の青年が公園を駆け抜ける。
すでに太陽はカール・モール、君の頭上だ。
森進一は、立ったまま夢を見る。
蝶が蝶なら花は花。
お花畑で昼寝をするカール・モールよ。
バイオリン弾きは感傷的すぎる。
ピアニストは神経質だ。
西日のきついオートルートで、
カーステレオから流れる「港町ブルース」よ。
胸をつく夕暮どきだ。
美しくなろうとしない女は、女ではない。
キミは、オフ・ブロードウエイから来たのか。
あたしはマンハッタン生まれよ。
それでカクテルもマンハッタンかい。
それは気にいらないジョークだな。
カール・モールはニヤッとストレートをもう一杯。